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ベートーベンの目指す第九

 以前yomiっこで盲目のテノール歌手、茶木敏行さんを紹介した。
そのときの茶木さんの夢「健常者と障害者が共に第九を歌う場作り」が、
いよいよ実現に向かって動き出した。
本年11月15日、なら100年会館大ホールでのコンサートが決定したのだ。

 茶木さんは幼少の頃より視覚障害があり盲学校へ。
そこから難関を乗り越え、大阪芸術大学に視覚障害者第一号として合格。
大学院を経てドイツに7年も留学し、帰国後声楽レッスン教室「CAコンセル
ヴァトワール」を開設。
今は10代から80代まで100人の生徒を指導する。

 茶木さんの思いに賛同したピアニストの綿貫洋子さんやNPO法人地域創造
政策研究センターのメンバーが、「NSK混声合唱団(綿貫洋子団長)」を設立。
歌の練習だけでなく、障害者をどのようにサポートすればよいかも学んでいる。
ならばうちの主催事業にと、なら100年会館が申し出てコンサートが決定した。

 茶木さんは言う。「ベートーベンは死ぬ前に第九を書いています。
彼は、権力者や貴族にこびたり屈することなく生きてきて、庶民に受け入れら
れた作曲家です。
その人が最後に書いたこの曲、メロディーが単純であることから、ウイーン市民
に歌ってほしいと思った悟りの曲のように思うのです。
だから誰が歌ってもいい、少々音がはずれていてもいい、みんなで歌うことに
感動がある、それがベートーベンの目指す第九ではないでしょうか」。

 テノール、バリトン、ソプラノ、アルトだけでなく、障害者の方のためにやさしい
第五のパートも用意したり、点字の楽譜を用意したりと準備を進めつつ、
参加者を募集している。
「全員がゼロから何かをやる醍醐味」を茶木さんとともに経験しませんか。
練習日、参加費などは問い合わせを。

yomiっこ 2009年03月号より抜粋】

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