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2010年01月 アーカイブ

2010年01月14日

「引き際」

 福田総理大臣が安倍前総理に続き、わずか一年で辞任した。
「あなたとは違うんです」という迷言を残して簡単に政権を投げ出した格好だ。
大相撲協会では、北の湖理事長が一連の不祥事の責任をとって辞任した。
どうもご本人は理事長の座に固執していたようだが、
辞任しなければ事態の収拾がつかない状況になってから、ようやくという感じだ。

 そして今度は小泉元総理が次回の総選挙には出馬せず、
政界からの引退を表明した。
これには「潔い」という意見もある反面、今の格差社会の原因をつくり、
小泉チルドレンを置き去りにして「勝手すぎる」という声もある。
二男を後継者にしたことも小泉さんらしくない。

 一方、北京オリンピック陸上400mリレーで
銅メダルを取る立役者となった朝原選手。
「最後にメダルというプレゼントをいただいて、
みんなにお祝いしてもらいながら引退できることは最高に幸せ」
とすがすがしく引退。
そして、オリックス・バファローズの
清原選手も満員の京セラドームで打順4番、
イチロー選手もかけつけるというこれ以上ない舞台での引退試合。
セレモニーではまだシーズンを戦っている阪神タイガースの
金本選手がスーツ姿で花束を渡し、
長淵剛さんが「とんぼ」を生で熱唱するという内容は、
三冠のどのタイトルも取ったことのない選手の引退とは思えない。

 このようにわずかの期間で多くの人の退任・引退を見ていると、
「引き際」というのは本当に難しいと思う。
いつまでも現役にこだわっていると後進が育たないし、全体が停滞してしまう。
しかし、現役としてやり残したことがあると思う以上は
それをやり遂げるまでは続けたいものだろう。

その見極めは難しいが、
常に「引き際」を意識することが大事であると思う一連の出来事だった。

yomiっこ 2008年11月号より抜粋】

2010年01月19日

平城遷都1300年祭

 いよいよ平城遷都1300年祭が始まった。
基本的には平城宮跡事業(4/24〜11/7)と、それ以外の県内での
事業(1/1〜12/31)に分かれるわけだが、この祭りは、いわゆる
今までの博覧会形式ではない。
むしろ、県内の寺社がパビリオンであり、見えない空気が音楽のように
人々を包む。
そのメイン会場が平城宮跡という、奈良から発信する、博覧会の新しい
形の提案といえるように思う。

 宮跡では、完成したばかりの第一次大極殿の公開、平城歴史館と
なりきり体験館という2つのパビリオン、まほろばステージや
常設レストラン、売店などが、4/24にオープン。
ボランティアガイドによる探訪ツアー、衛士の交代も期間中毎日開催される。

 重点的に力を入れるのが、春、夏、秋のフェアだ。
その春のフェアで行われる「平城遷都祭2010」(5/1〜9)
私は深く関わっている。
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昨秋奈良市の事業仕分けにあがり、一時は廃止も覚悟した。
そのようなことで、ここにきて、どこまで充実したものが出来るか
わからないが、やりきるしかないと思っている。

 とらえどころのない平城京。その圧倒的な威厳を感じさせるこの
場所の魅力をどう伝えればいいのか…。
思うにそれはこの場で感じていただくしかない。
1300年間という時空と日本一広い都の跡、こんな場所、日本の
どこにもないのだ。

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 そこに大勢の人が集まって、皆でお祝いをする。
なんて楽しい幸せなことなんだろう。
ワクワクした思い出を共有するために、皆さんで一緒に創るプログラムを
いろいろ用意している。

「1300人の天平行列」
「1300人のボディドラム」
「1300人のピースメッセージ」などなど。

それに向けて、すでに多くのボランティアの皆さんに関わっていただき、
力を結集して準備を進めている。
 
奈良の持つ本物を見て、感じていただくために、
あなたもぜひ1300年祭を創る一人になってください。

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yomiっこ 2010年2月号より抜粋】