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世の中の繁きかりほに住み住みて 至らむ国のたづき知らずも |
作者未詳 (巻16-3850) |
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【訳】 うるさい仮住まいのような人の世に住みつづけていて、これからどんな様子の国へ行きつくのかも分からない |
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場所: 川原 揮毫: 犬養孝 |
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大君は神にしませば赤駒の
腹這ふ田居を都と成しつ |
大伴卿 (巻19-4260) |
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【訳】 (天武)天皇は神であられるから(壬申の乱の後)赤駒が腹ばう田を都となされたよ |
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場所: 飛鳥坐神社 揮毫: 犬養孝 |
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今日もかも明日香の川の
夕さらず かはづ鳴く瀬の
さやけくあるらむ |
上古麻呂 (巻3-356) |
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【訳】 今日もまた明日香の川は夕方になるとカジカカエルが鳴く瀬が、清やかなことだろうよ |
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場所: 文化財課事務所前休憩園地
揮毫: 犬養孝 |
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(初書:2006-12-05) |
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●キーワード |
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◆万葉集 |
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現存最古の歌集。20巻。
万葉とは、万世に伝わるべき集、また万(よろず)の葉、すなわち歌の集の意ともいわれる。
長歌・短歌・旋頭歌(せどうか)・仏足石歌体歌・連歌あわせて約4500首を収めている。
豊かな人間性にもとづき、現実に即した感動を率直に表す調子の高い歌が多い。 |
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◆犬養孝 |
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1907年、東京都生まれ。
東京大学文学部卒業、文学博士。大阪大学名誉教授、甲南女子大学名誉教授、明日香村名誉村民。
1987年、文化功労者。
1998年、逝去。
万葉集に登場する万葉故地を訪れ、万葉集研究に生涯を捧げ、「万葉風土学」を確立した。
また、一般の人に広く万葉集を広めた功績も大きい。
万葉集を朗唱する「犬養節」は独自の歌い方で、暗記するために彼独自の節をつけたといわれている。
晩年は、万葉故地が乱開発される現状を抗議、国会や議員に万葉故地の重要性を訴えた。
その一環として、日本全国に犬養孝が揮毫した「万葉歌碑」を建立、故地を守る活動に奔走した。
犬養孝揮毫の万葉歌碑は131基に及ぶ。 |
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