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春日なる三笠の山に月の船出づ
遊士(みやびを)の飲む酒杯に 影に見えつつ |
作者未詳 (巻7-1295) |
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【訳】 春日の三笠の山に船のような月が出た。風流な人々の飲む酒盃の中に映って見えながら。 |
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所在地: 奈良県立万葉文化館
揮毫:甫田鵄川 |
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天橋も長くもがも高山も
高くもがも月読(つくよみ)の
持てる変若水(をちみず)
い取り来て君に奉りて
変若(をち)しめむはも |
作者未詳(巻13-3245) |
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【訳】 天にかける橋も長ければ、高山も高くあってほしい。
月の神の持っている若返りの水を取ってきて、君に捧げて若返らせたいものよ |
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所在地: 奈良県立万葉文化館
揮毫: 杉岡華邨 |
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片岡のこの向つ峰に椎蒔かば
今年の夏の蔭に比疑へむ |
作者未詳(巻7-1099) |
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【訳】 片斜面のこの向かいの岡に、椎の実をまけば、若木の影をせめて今年の夏の日陰に見なせるだろうか |
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所在地: 奈良県立万葉文化館
揮毫:今井凌雪 |
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(初書:2006-12-06) |
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●キーワード |
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◆杉岡華邨 |
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大正2年(1913)吉野郡下北山村生まれ。奈良師範学校卒業後、辻本史邑、尾上柴舟、日比野五鳳に師事。奈良県立高等女学校教諭を経て大阪教育大学で書教育に携わる。
日展を中心に、朝日現代書道二十人展、毎日書道展、読売書法展に作品を発表。平安朝以来のかな書の美とその表現の可能性を追求し続ける。奈良県文化賞、日展文部大臣賞、日本芸術院賞を受賞。
平成元年(1989)、日本芸術院会員。平成7年(1995)、文化功労者。平成12年(2000)、文化勲章受章。 |
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