おん祭とは  

春日若宮おん祭(かすがわかみやおんまつり)は春日大社の摂社若宮で行われる例祭です。八百七十有余年にわたり途切れることなく続けられており、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

その興りは大雨洪水による飢饉・疫病の蔓延を憂いた関白藤原忠通公が春日若宮に神霊を迎えて丁重に祭礼を奉仕したのが始まりと言われています。その後、五穀豊穣・万民安楽を祈り大和一国を挙げて盛大に執り行われ今日まで受け継がれてきました。

春日若宮神をお迎えする「遷幸の儀」が12月17日午前零時から始まり、神霊をお旅所に遷します。同日正午よりこれに団参する芸能・武芸・大名等が若宮神社に向かう「お渡り式」が行われ、伝統衣装に身を包んだ人や馬による大行列が市内を練り歩きます。
日中は御旅所祭が行われ、奉幣、祝詞奏上の後、参道では競馬や稚児流鏑馬、お旅所では社伝神楽や猿楽等様々な神事が奉納されます。
12月18日の午前零時前に神霊を社にお還しする「還幸の儀」で締めくくられます。

若宮神社

若宮神社

◆おん祭公式ホームページ
◆春日大社公式ホームページ
春日大社HP

 

行事
日程 時間 行事内容  
15日 17時

大宿所祭(おおしゅくしょさい)

大宿所祭に先立ち、前庭にて御湯立(みゆたて)や懸物(かけもの)が見られます。大宿所とは、昔、おん祭に参勤する大和士(やまとざむらい)がお祭に先立ってここに泊まりこみ、精進潔斎をした場所です。その際、当日の行列に必要な装束や武具等を飾り、若宮神への奉賽として各自持参した鳥、獣、魚等を前庭に飾り立てるのが懸物です。

※14時半、16時半、18時 御湯立の式

所:奈良市内餅飯殿町(もちいどの商店街)の大宿所

大宿所祭
16日 15時

田楽座宵宮詣(でんがくざよいみやもうで)

 
16時

宵宮祭(よいみやさい)

御本社に続き若宮神社拝舎で行われ、神楽殿で社伝の御巫神楽があげられます。
所:若宮神社拝舎

宵宮祭
17日 0時

遷幸の儀(せんこうのぎ)
※拝観場所に制限あり・撮影・燈火厳禁

二基の大松明を先導に、宮司の奉持する御神霊を、数十名の神職が榊を手に人垣でこれを囲み、口に警蹕を唱え一団となって進む。
伶人が道楽を奏しながらこれに続き、表参道を1キロ余り西のお旅所まで神様をお遷し申し上げます。
約50分を要する神幸です。

所:若宮神社からお旅所までの参道

 
1時

暁祭(あかつきさい)

お旅所仮御殿に入御の後、御殿の中央の瓜灯籠に火を灯し、海川山野の品々が献じられ、社伝神楽が奏せられます。

所:お旅所

暁祭
12時

お渡り式(おわたりしき)

平安時代から江戸時代に至る風俗を満載した伝統行列がお旅所まで練り歩く。途中、興福寺南大門前石段に並ぶ衆徒(僧兵)の前で交名の儀が、次に一之鳥居を入った影向(ようごう)の松の下で松の下の儀と呼ばれる儀礼的所作が行われます。

所:県庁前広場から近鉄奈良駅前を経てJR奈良駅前
   より三条通を上がりお旅所まで

お渡り式
14時半

御旅所祭(おたびしょさい)

おん祭の中心的祭典で、お染御供と呼ばれる美しく飾り立てた神饌(しんせん)等が捧げられ、宮司や日使(ひのつかい)の奉幣、祝詞奏上の後、行列に加わった各座等の代表の拝礼があり、引き続き社伝神楽、東遊(あずまあそび)、田楽、細男(せいのお)、猿楽、和舞、そして11曲の舞楽が23時頃まで続きます。また、参道では競馬、流鏑馬(やぶさめ)が行われます。

所:お旅所

御旅所祭
23時

還幸の儀(かんこうのぎ)
※拝観場所に制限あり・撮影・燈火厳禁

遷幸の儀と同様にお旅所から若宮神社まで神様をお遷し申し上げます。

所:お旅所から若宮神社までの参道

 
18日 13時

奉納相撲(ほうのうずもう)

奈良県相撲連盟、奈良市体育協会、奈良市相撲協会の協力のもと執行されます。

所:お旅所南側特設土俵

奉納相撲
14時

後宴能(ごえんのう)

お旅所の芝舞台で能2番、狂言1番が仮御殿を背に行われます。

所:お旅所

保延2年(1136年)に、関白藤原忠通が五穀豊穣、国民安寧を祈願し、大和一国をあげて執行したのが始まりで、約870年以上の伝統があり国の重要無形民俗文化財に指定されています。