奈良市/名勝 エリア広域/奈良市・大和高原 池泉回遊式庭園、寧楽美術館、三秀亭、中村準策、借景、茶室、茶会
◆依水園 ●いすいえん ●奈良市水門町
前園と後園からなる二つの池泉回遊式庭園は、奈良を代表する日本庭園の一つ。1975年(昭和50)に国の名勝に指定、寧楽(※)の都をモチーフとしたもので、東大寺南大門、若草山、高円山などの借景が見事である。
前園は、興福寺摩尼珠院の別業があったところとされ、1670年代(延宝年間)、奈良晒業者・清須美道清が別邸を設け、庭の趣向を整え、萱葦の建物を造り、披露に招いた黄蘗山の木庵禅師が、この建物を「三秀亭」と名付けた。後園は1899年(明治32)、奈良の豪商であった関藤次郎が築いた築山式の池泉回遊式庭園。
海運業で財を成した中村家が1939年(昭和14)に買い取り、前園と後園を合わせた形で整備した。茶室も数部屋備わっており、四季折々の花を愛でながら、趣向を凝らした茶会が行える。
1969年(昭和44)、中村家所蔵の美術品を展示するため、寧楽美術館を併設、一般公開している。なお、三秀亭では、お昼時に庭園を鑑賞しながら麦めしとろろの食事も味わえる。
(※『寧楽』は、古い時代の「なら」の表記。寧楽美術館は混同を避けるため、あえて「ねいらく」と読ませている。)
依水園 依水園
▽データ
所在地 奈良市水門町74
開園時間 9時30分〜16時
入園料 650円 ※依水園入園料に寧楽美術館入館料を含む
定休日 毎週火曜、年末年始、お盆
TEL 0742-25-0781
URL http://www.isuien.or.jp/
備考 茶会などで茶室を利用希望の場合は事前に要予約
▽キーワード
●寧楽美術館
中村準策・準一・準佑の三代が収集した一万点以上の美術品のうち、神戸大空襲を免れた2千数百点を美術館に寄贈したことにはじまる。
古代中国の青銅器・古鏡・古銅印、拓本など、中国・高麗・李朝・ 日本の陶磁器、日本の絵画などの優品を収蔵。
毎年7月中旬から8月初旬にかけて、展示品の入れ替えを行う。
(※入館料は依水園入園料に含む)
▽食事処・休憩処
●三秀亭
庭園を鑑賞しながら食事が楽しめる。
メニューに、『麦めしとろろ』 1260円、香ばしいうなぎの蒲焼きをつけた独創名物料理の『うなとろ御膳』2520円。
その他、抹茶と和菓子のセットもある。
営業時間/11時30分〜13時30分まで
●参考文献/網干善教監修『奈良まほろばソムリエ検定』  ●参考HP/依水園  ●取材協力/中村記久子(財団法人寧楽美術館館長、名勝依水園代表)  ●文中敬称略、初書/2007-06-30-IT
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